顧客の立場に立とうとして、お客様の顔が頭に浮かんだら失格

顧客の立場に立とうとして、お客様の顔が頭に浮かんだら失格

顧客の一連の行動を可視化するために「顧客視点で」といったとき、顧客が見ているのはあなたのお店が提供する料理やサービスであって自分の顔ではありません。
本当に顧客の立場に立てたなら、あなたの会社やスタッフの姿でなくてはなりません。

ビジネスだけでなく日常の人間関係でも同じで、相手の立場に立つとは「相手から見た自分の姿」を頭に思い描いて気持ちを感じ取ることです。

顧客の行動を可視化する目的は、顧客の体験価値がどのように形成されているかを知るためです。
しかし、いざ行動を描こうとすると企業視点になりやすいため、より顧客の立場で想像しやすい領域である「お客様を怒らせる体験」を考えてみることです。

怒らせる方法は、喜ばれる方法よりも思いつきやすいし、人が怒るポイントは汎用性が高く、どんな顧客にも適用でき、顧客への感情移入もしやすい特徴があります。

企業視点では大きなクレームばかりに目が奪われるため、重大な過ちを犯した時など、1回の接触ですべてが決まるように感じてしまいますが、顧客の信頼を失うのは、小さなことが積み重なって臨界点を越えるという蓄積型が多いことに気づくはずです。

これは個々の評価は高いのに情報の連携不足が原因で不信が積み重なり、総合評価が低くなるという満足度データが物語っています。

怒らせる行動の流れが書き出せたら、次にファン顧客となる行動を描いてみましょう。
但し、この時イメージするのは「売上の多いお客様」というロイヤルカスタマーではありません。
あなたの会社を心から信頼し、ファンとして家族や友人に推奨でき、自分も長く利用している顧客をイメージすることです。

これらの作業を進めることで、より多くの顧客への示唆や実態を理解できるとともに、課題も把握でき改めて自社の商品やサービスに気づいていない顧客価値があることに驚くでしょう。